家族と自分

育児のルールを変えよう

今回の記事では、日本における育児・保育の問題点とそれに対する解決方法を仮説ベースで書きます。

育児や保育、育児タイムバンク等について色々考えてはいるのですが、育児経験者の方のリアルな状況やご意見を聞く機会が欲しいと思っております。また2018年3月生まれの娘の一緒に遊んでいただけるお子さんやご家族の方と(ゆるーく)お話をさせていただきたく、是非とも下記よりご連絡いただけますと幸いです。

同じマンションにお住まいの方はこちらから、それ以外の方はこちらからお知らせください。

問題点

近隣コミュニティの消滅

都市化および核家族化の進展により、従来あった地域に基づいたコミュニティは消滅しつつあります。私は町内会に出たこともなければ、近隣住民の方とお話しする機会がなく希薄な感じを少し物足りなく感じています。それに代わって台頭してきたのは、会社を中心にしたコミュニティやインターネットによる距離に限定されないコミュニティです。

会社であれば、自分と属性の近い人たちが集まっている可能性は高いでしょう。インターネットを使えば同じ趣味の人を見つけることは簡単です。Facebook上で友達の友達なら、大体どんな人か事前に見当がつきます。

翻って、育児中の親同士のつながりとなると、途端に出会いが難しくなります。専業主婦や育児休暇中では家にいることが多くなりますし、自分と属性が近い育児中の人をインターネットで探すのは困難です。子供が小さい間は特に、昔のように地域コミュニティに基づいた狭域での出会いが重要になります。しかし近隣住民とのつながりが希薄化した現代社会ではなかなか最初のきっかけを作ることができません。

可処分所得の減少

出産し、子供を持つと可処分所得は減少する傾向にあります。可処分所得とは下記のように定義されています。

*可処分所得とは
個人の家計収入から、支払いを義務づけられている税金や社会保険料などの非消費支出を差し引いた金額のこと。
一般に、日常生活で必要な食料や衣類などの生活必需品の購入や、各種公共料金の支払い、教育費・レジャー費などの消費支出は、この可処分所得の中から発生している。
可処分所得から消費支出を差し引いた残りが、家計の貯蓄となる。換言すれば、最終消費支出と貯蓄の合計が可処分所得であるともいえる。可処分所得のうち消費支出にあてられる額が占める比率を消費性向といい、家計貯蓄の比率を貯蓄性向という。

一方が専業主婦(夫)になれば減少額は顕著ですし、育児休暇中であればその間の収入は減少するでしょう。共働きであったとしても、育児や教育にかかる支出が増えるため、結果的に可処分所得は減ることになります。

減少した収入の中で、必要な育児グッズを揃えるためには、友人からのお古をもらったり、レンタルをしたり、中古品を買ったりするのが一般的です。子供の成長は早く、子供の好みによって買ったものが気に入らない可能性があり、また使用できる期間は限られてるので必ずしも新品でなくとも合理的だと感じています。

しかし友人からお古をもらうにしても、中古品を譲りたい人が近くに住んでいるとは限りません。レンタルも意外と値が張り、家計の出費を増やす一因となります。フリマサイトで中古品を買ったり譲り受けたりする方法も最近は台頭してきていますが、結局支出を伴うという点は変わりません。

つまり減少する収入のなかで支出が増えていくため、育児中の家計管理は子供を持つ前に比べて厳しくなります。

 

可処分時間の分散

可処分所得と同様に、可処分時間も減少、より正確に言えば、分散する傾向にあります。

*可処分時間とは
一日24時間のうち、睡眠、食事、仕事、家事など必要なことをした後に残る時間を可処分時間として扱います。

乳幼児は大人が望むようには行動してくれません。夜中に突如泣き出したと思えば、ごはんを食べている最中に突然眠りに落ちたりします。育児休暇という名前であってもそれは育児をするため、会社業務から離れるということであり、休んで暇をしている余裕はなく、24時間子育てに追われるのはなかなか辛い期間となります。

自分の時間を作るために一時保育を利用したくても、心理的抵抗だけれなく、金銭的にも躊躇してしまいます。自分は専業主婦(夫)・育児休暇中であるから、夫(妻)が稼いだお金の中で、自分のためにベビーシッターを利用することに対して、罪悪感を覚えるといったこともあるでしょう。

2人が外で働いているなれば、出社前の9時に子供を保育園に預け、18時前には子供を引き取りに会社を出社する、といったことをしなければなりません。

上記3点から言えることは、子供を持つ前と、子供を持った後では、ライフマネジメントの難易度が劇的に異なるということです。上のチャートで表現されるように、出産を機に経済的ゆとりおよび金銭的ゆとりが減少します。これを解決するためには、育児前と同じシステムで対処しようとするのではなく、そもそものシステム内のルールを変えるべきなのではないでしょうか?欧米では育児を含めて「いかに楽をするか」が比較的是とされているためにイノベーションが起きやすい一方で、日本は「同じシステムの中で努力して克服する」が美徳とされているため、なかなか大きな変革には結び付きません。

お母さんが努力して、大変な思いをして一生懸命育児をすることで、なんとか回っているというのが大多数の家庭における現状であると思います。このような問題点をテクノロジーの力と行動経済学の知見をもとに変えたいと考えています。

解決する手段

偶然を必然に変えるマッチング

最近ではスマホのGPSに基づいたマッチングアプリが人気です。男女のマッチングアプリであるTinderやビジネスパーソン同士を結び付けるYentaが代表的です。Facebookを元に共通の友人やコミュニティを表示することで、友達の友達ならちゃんとした人だろうという信頼感醸成に役立っています。

育児中の親にも似たような仕組みを取り入れることで、信頼感を醸成しながら新しい出会いと交流を促進することが可能になるのではないでしょうか?現在の親同士の出会いは、「たまたま同じ保育園に通っているから」など偶然に支配される要素が大きいです。GPSおよびソーシャルメディアの連携をすればそれを偶然の出会いを必然に変えることが出来るはずです。

24時間を原資とした需給システム

マッチングに加えての付加サービスとして、タイムバンキングの活用があります。タイムバンキングを育児に活用するというアイディアをこちらの記事にしました。

人によって暇な時間帯は異なります。Aさんは平日昼に時間はあるけれど、Bさんは休日夜に時間がある。流れていく時間を貯めることが出来るタイムバンクなら、それらを交換することが可能になります。

可処分所得が減少した中でも、24時間という時間は誰にも平等にあります。「夫(妻)が稼いだ収入の中から自分のためにシッティングサービスを利用するのは申し訳ない」と考えている人々も自分が持つ24時間という原資をうまくやり繰りし、貯めて使うことで、自分の時間を持つことが可能になるのです。

既存サービスの500円子育てシェアでは助けても助けなくてもよい仕組みなので、非対称な関係性が出来上がります。その非対称性が可視化されていないために、不要な気配りが生まれてしまいます。タイムバンクを活用すると預かった側の時間と預けた側の時間が定量的に可視化されるため、「一方的に頼んでばかりで申し訳ない」という心理的障壁がなくなります。提供すればするだけ、コミュニティ内での自分の保有通貨が増え、依頼すればするほど通貨が消費されます。ゆえに無駄な遠慮や心配を排除した、ドライでフェアな取引が可能になります。

時間とモノが交換可能なプラットフォーム

タイムバンクというコンセプトに加えて、時間通貨とモノを交換可能にすることでより広範で効率的な育児シェアリングエコノミープラットフォームができるのでないかと考えています。使用しなくなった育児グッズを他の方に譲ることで自分の時間通貨が増える、その通貨で、自分の時間や他の育児グッズを購入したりすることも出来ます。

その時間通貨は日本円との換金も可能です。しかし、コミュニティ内の「育児」に特化したサービス内で交換したほうが還元率は高くします。自分が時間や育児グッズを売って貯めた時間通貨はパートナーに気兼ねすることなく、育児に使うことが出来る。時間通貨を稼ぎたくてどんどん他の人の育児を助けたくなる。そんな育児エコシステムを作りたいです。

米国の経済学者ミルトン・フリードマンや大阪市元市長として有名な橋本徹さんは、使途を教育に限定した教育バウチャーの提唱・推奨していました。お金はオールラウンドに使えてしまうことが、教育といった成果の見えにくいが重要であるエリアに投資することへの足かせになってしまうことがあります。育児でも同様のことが言えます。育児エコシステム内で有利に使えるように通貨は、コミュニティでの育児分担を推し進め、より積極的な育児の助け合いを促すことになるでしょう。

育児のルールを変えよう

子供ができると、今までのシステムのルールの中で努力をするだけではなかなか育児は楽になりません。よってシステム内でのルール自体を変える必要があります。
偶然を必然に変えるマッチング、24時間を原資とした需給システム、時間とモノの交換が可能なプラットフォーム。

育児の楽しさを倍増に、負担を半分にできるようなシステムを作ることが私の目標です。

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