家族と自分

タイムバンクという新しい育児のあり方

この記事では私が考える「育児 x タイムバンク」について記載します。

タイムバンクの歴史

皆さんはタイムバンク(時間銀行)という仕組みをご存知でしょうか?実は、タイムバンクというコンセプトは古く、1800年代のイギリスにまで遡ります。

ロバート・オウエンというイギリス人の実業家兼社会活動家が中心になり、お金の紙幣に似ているけれども、時間を単位とした労働紙幣を発行しました。その後、タイムバンクというコンセプトはアメリカ・イギリスを中心に発展し、現在では30か国を超える国でタイムバンクによる取引が行われています。シェアリングエコノミーの台頭と期を同じにして、2015年あたりからもTEDxでの公演も見かけるようになりました。

一方的に施しを与えるボランティアやNGOでもなければ、金銭的対価を目的とした商売でもない、時間を単位としたコミュニティに根差した相互援助の仕組みとして使われています。

日本におけるタイムバンク系サービス

日本でも時間を売り買いできるサービスが立ち上がっています。

有名なサービスの1つがメタップスが展開するその名もタイムバンク。「専門家の価値×スキマ時間を売買する時間市場」を売りにしており2017年秋にローンチされました。

もう1つ有名なサービスとしてグローバルウェイが運営するタイムチケットというサービスがあります。2014年にローンチされ、専門家でもない個人が特技を生かして空き時間を30分単位で売買できます。また時間を強く強調していないですが、類似のサービスとしては「みんなの得意を売り買い スキルのフリーマーケット」のココナラや「ご近所助け合いアプリ」のエニタイムズが上げられます。

メタップスのタイムバンクは、専門家の価値に重点を置くことで、著名人やインフルエンサーの時間を投資のように取引ができるという特徴があります。またその他の上記3サービスはそもそものコンセプトの違いはあれど、相談やコンサルティング、レッスン等を提供するというサービスになっています。言い換えると、欧米で使われているようなコミュニティに根差したタイムバンクのコンセプトとは異なると言えるでしょう。

育児 x タイムバンク

では、欧米で使われるようなコミュニティ作りという文脈でのタイムバンクを日本で展開することは難しいのでしょうか?私は日本社会において、独自性が高く、大きな社会問題となっている保育・育児という分野においてこそ、本来のタイムバンクが生かされてくると考えています。

育児には誰がやっても1時間かかる育児は1時間かかるという特徴があります。専門性の高い保育士だから1時間必要な育児を10分に短縮することはできません。しかしこれは、他のサービスでは異なります。優秀なプログラマであれば、素人のプログラマが1時間で書いたコードを10分で書くことが出来るでしょう。優秀なコンサルタントの単価は一般的なコンサルタントの単価の10倍であることもあります。

つまり、経験や能力により時間を圧縮することが難しい育児というサービスであるからこそ、本来のタイムバンクというコンセプトがうまく機能すると言えるのではないでしょうか?実際に欧米でのタイムバンクは、ベビーシッティングや犬の散歩といった、時間の圧縮化が難しいサービスがメインです。

タイムバンクはコミュニティにおける助け合いを強調します。しかしそれは、ボランティアやNGOのような一方的な施しとは異なります。助けるほうは時間という報酬を目的にサービスを提供するため、サービス提供者と受益者は対等な関係を維持できます。つまり、「頼みすぎて申し訳ない」、「あの人頼む一方で困る」といった不要な心配から解放されます。

またプロフェッショナルな保育やベビーシッティングサービスとは異なるため、「シッティングに加えての家事代行サービス」を提供したり、「向こうの保護者からの過度な要求」に対応する必要性は薄れます。もっと気軽に人を助けることが可能になるのです。

マンションという信頼空間

マンションは1つのコミュニティです。自分たちの属性に近い、同じような家族構成で同じような世帯年収の方々住んでいる可能性が必然的に高くなります。しかし会話をする機会はほとんどありません。私はこれが非常にもったいないと考えています。

例えば、「2時間の貯金(貯時間)を使って、娘3歳を2時間預けて自分は美容院に行く。」
例えば、「男の子4歳を週末3時間預かることで、3時間の時間を貯金(貯時間)する。」

プロフェッショナルのベビーシッターサービスを、家計の中から2時間5000円で使うには気が引けるし、話したこともないお隣さんに頼むのも気が引ける。そんな状況を「育児 x タイムバンク 」ならば変えられるのではないでしょうか?

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